資産運用の仕組み

■ 基金の積立金運用は信頼できる専門家に「任せてチェック」が基本

当基金の積立金運用では、直接、基金が株式や債券を売買することはありません。基金の仕事は、信頼できる運用の専門家を確保し、資金を委託して運用状況を監視することです。

法令では、資産運用に関して基金が行うべきことを以下のように規定しています。

  • ①特定の資産・運用方法に偏らない分散投資を行うこと
  • ②運用の基本方針を作成し、それにそって運用すること
  • ③委託する運用機関に対して運用ガイドラインを示すこと

当基金では、こうした法令にそって、基金規約に規定するほか、運用管理規程年金資産の運用に関する基本方針を定めています。

■ 基本となる政策的資産構成割合

資産運用の成果にもっとも大きく影響するとされるのが、資金を特性の異なる資産へどのように配分するかです。

これは資産構成割合という意味で「アセットミックス」といわれますが、一般的には、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、短期資産というように区分し配分比率を定めます。これらの資産は、過去の実績からそれぞれリスクとリターンが計算でき、その配分によって収益の予想とその変動幅が異なってきます。

収益率の変動(リスク)の抑制と基金として必要な収益獲得の両面から目標として策定されるのが、政策アセットミックスです。

■ 運用委託は信託3行と生保3社に

運用委託機関の選定も、重要なポイントです。当基金では、現在、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行の3信託銀行と年金信託契約を結び、運用ガイドラインを提示して、国内外の債券、株式等に分散投資をし、リスクの分散を図っています。

また、富国生命・日本生命・第一生命と確定給付企業年金保険契約を結んでいます。

■ 積立金運用もPLAN-DO-SEE

一般の事業と同様、積立金の運用もPLAN-DO-SEEというサイクルで回していきます。

PLANは前述した「運用基本方針の策定」、「運用受託機関の選定」、「運用ガイドラインの決定」となり、DOが実際の運用委託で、運用機関より月次、四半期、年次で報告を受け、必要に応じミーティングを行ってモニタリングを継続します。

SEEは「運用機関の評価」で、これは必要に応じて行い、また運用環境等の変化に応じ、政策アセットミックスの見直しも行います。

■ 基金の運用に関わる意思決定について

日常的な運用受託機関との連絡や運用報告の集約は基金事務局に勤務する運用執行理事が行いますが、法令や年金規約に基づいて意思決定を行うのは、基金の運営にあたる理事会です。

当基金では資産運用委員会を設置し、四半期ごとの運用状況の確認や資産運用に係る事項を審議・検討し、それらの議論を踏まえ、理事会で必要な意思決定を行います。さらに理事会の決定事項は、代議員会に報告し承認を求めることになっています。